[salesforce] Dreamforce ’12
Dreamforce ’12のサマリです。メインはMarketing Cloudでしたが、個人的に特筆すべきはSalesforce IdentityとForce.com Canvasではないかと思います。
まだ未検証な部分が多く憶測や希望的観測も含まれますので確実な情報でない事をご理解ください。後ほど視察メンバー全員で座談会を開き掘り下げた内容を改めてアップ致します。
Marketing Cloud
BuddymediaのエンゲージメントとRadian6のソーシャルリスニングをSalesforceへ統合した完成形を見ました。これをベースにソーシャルマーケティングツールが付加された新しいSalesforceが展開されて行くと思います。
ただ気になったのはデモではMarketing Cloudは別組織にログインするように見えたこと。Do.com, Desk.com同様、既存Salesforce組織とのシームレスな統合を望みますが真相はまだ見えていません。
Sales Cloud
Outlook for sales cloud
多分Outlookのアドオンだと思いますがOutlookの右ペインにSales Cloud関係の画面が表示されていました。これは単純に便利だと思える機能でしたのでOutlookを使われている方は使ってみましょう!
Report input?
ちょっとデモでチラっと見えただけなのでよくわかりませんがレポート画面で値を入力していたように見えます。またレポートが上下2ペインに分かれてドリルダウンしているようにも見えました。これも新しい機能でしょうか?
Data.com
今年はSocial Keyがポイントでしょうか?Data.comで共有されているソーシャルデータをSocial Keyで引っ張って来れると言った感じでしょうか?ちょっと詳細はわからなかったのですがContactのCustomerのSocial上のデータをSocial Keyがあれば確認可能なので、最近の顧客の動向を確認して顧客へのアプローチへ利用できるように見えました。
Desk.com
小規模な企業へのサポート系サービスとのこと。デモを見た感じですと各種ソーシャルメディア情報+メールが一元的に表示されているInboxが便利だと思いました。Chatterホームにもあんな画面があったらいいなーと思いました。
Work.com
人材パフォーマンス管理サービスです。Chatterと統合してイイ感じです。従業員の目標設定やインセンティブの管理ですが、従業員へ与えたポイントを従業員がそのままAmazonで使っていたデモは面白いと思いました。あんな風にされるとモチベーションも上がりますね!
Chatter
Chatterbox
Chatterにファイルシェアリング機能を搭載。これまでのChatterファイルとの違いはファイルをローカルと同期させることでローカルとクラウドのシームレスな連携を実現している点です。ローカルの連携ディレクトリ(フォルダ)へファイルをドロップするだけでクラウドとのミラーリングが可能です。DropboxやBox、Google Driveを利用した事があれば想像がつくと思います。
Chatter Communities for Service, Chatter Communities for Partner
これまでもCustomer PortalやPartner Portal、Force.com SitesなどでChatterが使えたら良いな〜という要望はあったかと思います。それを実現するのがChatter Communitiesだと思います。基本的にはPortalと同様にCustomerやPartnerへクローズドなポータルを提供し、提供されたアカウントでログインするとお馴染みのChatterのトップ画面が表示されます。
特筆すべきはChatterホームに独自アプリメニューを表示できる点です。これは恐らく後述しますSalesforce IdentityとForce.com Canvasを利用して開発するものと思われます。このChatterライセンス料金が気になるところ…
Salesforce Touch
Touch Tags for Visualforce?
VisualforceタグでTouch系のタグが多数リリースされたようです。基本的にはTouch系タグをVisualforcePageへ記述する事でモバイル向けユーザインターフェイスを簡単に表示できるようです。
作成したVisualforcePageを後述するNative SDKでコンバートするとiOSアプリにも変換できるように見えました。多分Androidアプリも同様にコンバート可能なのではないかと思われます。
Native SDK
デモではXcode向けのSDKでした。デバイスのカメラもサポートしているということでした(デモでは失敗してましたが)上述した通りForce.com上でTouch系タグを記述したVisualforcePageをNativeアプリにコンバートできるようです。ハイブリッドモバイルアプリと呼んでいるのはこういった形で作成したモバイルアプリの事を指しているのでしょうか。
Force.com Canvas
これは個人的に最もインパクトがありました。Inline Frameを利用して他のシステムの画面を表示できるようになるようです。これだけなら今までもWeb Tabである程度可能でしたが読み込まれるアプリ側をHerokuで構築しCanvas.jsを読み込む事でForce.comとの連携がシームレスになるように見えました。
まだ未検証なので推測ですが後述するSalesforce Identityと同時に使用する事でユーザから見るとSAPやSharePointといった外部アプリケーションがSalesforce内でストレス無く使用できるように見えます。恐らくOpenSocialやFacebookアプリと同様にSalesforceをコンテナにできる技術ではないかと思いますので今後の発展を非常に期待します!
あと、これらの外部アプリへのメニューをChatterホーム画面配置できる事から憶測ですがChatter Communitiesユーザに向けて独自アプリケーションを配置できるのではないでしょうか。Chatter Communities+Salesforce Identity+Force.com Canvasで大きな可能性を感じます。
Heroku quick start
Force.com Canvas画面にHeroku quick startというメニューがありました。Facebookアプリを作成する際にHerokuテンプレートを選択した事のある方なら想像できると思いますが、こちらから独自アプリを作成するとForce.com Canvasを前提としたHeroku上のアプリを簡単に作成できるように見えました。
Salesforce identity
これまでもSalesforceと他の外部アプリケーション(Google AppsやSAPやSharePoint)とのシングルサインオンを実現する事はSalesforceの設定で可能でしたが、はじめから予約されているメジャーなアプリケーションはもっとシームレスに連携できる機能なのではないかと思います。
認証設定がどこまで簡便になるかはわかりませんでしたがデモでは連携アプリへのメニューが並んだ画面が用意されユーザはそこから外部アプリケーションへワンクリックで遷移可能になっていました。
また、いわゆる「Salesforceでログイン」ボタンを外部アプリケーションやサービスへ拡めて行く方針だということです。憶測ですがIdentityやCanvasと合わせて、この方針を進めて行く事でエンタープライズサービスのポータルを獲得する狙いではないでしょうか?
そのためにはChatter Communitiesユーザのライセンスはフリーミアムに近い形でユーザを囲い込まなければ難しいのではないかと思います。各企業のサポートページでChatter Communitiesがデファクトになるのを望みます!そうすれば「Salesforceでログイン」ボタンも普及するのではないかと思います。Chatter Communitiesユーザのライセンス形態、非常に気になります。
Other
Cloud9
これはデベロッパー向けのセッションでブラウザ上のIDEが紹介されていました。デモではC言語やJavascriptを記述していました。Force.comの開発がどこまでできるのか未検証ですが個人的に後で試したくなるような内容でした。フリーでアカウント取得可能ですのでデベロッパーは是非ためしてみてください。
Heroku plugin for Eclipse
HerokuのEclipseプラグインが紹介されていました。デモではGitプラグインのイメージでHerokuへpushすることでGUIで簡単にデプロイする様が確認できました。デベロッパーの方は是非ためしてみてください。
New AppExchange
AppExchangeがAppStore風にリニューアルされていました。また、詳細はわかりませんがChackOut機能も追加されたようです。紹介スライドではiOSアプリなどのコンシューマ向けアプリよりエンタープライズ向けの方が儲かりまっせ的な内容でしたが、全体的に個人デベロッパーに訴えかけるようなニュアンスでしたので何かそのようなメタファへの変換があるのかもしれません。
感想
今回のDreamforceは昨年までのSocial EnterpriseやHeroku, Database.comといったワード的なインパクトという意味では地味だったかもしれませんが、昨年までのワードに現実的な機能が明確化され技術的には熱いイベントでした。これから検証や考察を重ねてユーザの皆様へ有益な形で表現できれば幸いです。