[Salesforce][Box] 新しいストレージサービス “Box” を Salesforce と連携する(1)

By |7月 4, 2014|salesforce, |


はじめまして。
カスタマーサービス室という部署でサポートデスク担当をやっております「GT」と申します。Salesforce に関わって5年と少々になります。
「技術ブログ」と銘打っておりますが、開発者とは違ったサポートデスクならではの視点で、Salesforce およびその周辺のサービスについて色々書かせていただきます。

最近はクラウドストレージサービスも色々と出ており、まさに百花繚乱の様相を呈しております。
Salesforce ユーザの皆様の中にも、「取引先や商談の情報は Salesforce で管理するけど、付帯する契約書や送付資料などは、他のストレージサービスで管理している」という方も少なからずいらっしゃるかと思います。
そんな中、最近日本でのサービスが開始されて話題になっている “Box”  が、Salesforce 連携機能をアピールしているので、どのようなものか、試しに使ってみました。

<Box の特徴>

  • 軽くて使いやすい直感的なユーザーインターフェース
  • 柔軟なファイル共有設定(完全非公開/共同作業者にのみ公開/URLで公開 などが設定可能)
  • Box Sync を使用して、ローカルPC上のファイルの編集内容を即時に同期可能
  • Box Edit アドオンを使用して、Microsoft Office や Google Document のファイルをブラウザ UI 上からシームレスに編集可能
  • モバイルデバイスとの親和性の高さ
  • Box Content API を使用して、既存システムと統合したアプリケーションを作成できる

(↑直感的なインターフェース。ドラッグ&ドロップでファイルのアップロード可能。)

プランは以下の4種類。

  • Personal (個人向け無料エディション、10GB のストレージ、有償追加オプションで最大 100GB まで拡張可能)
  • Starter (最大10ユーザまでのグループ向けエディション、最大 100GB のストレージ、月額600円/1ユーザ)
  • Business (ユーザ管理機能を持った企業向け組織、組織のストレージは無制限、月額1800円/1ユーザ)
  • Enterprise (API連携および Business より高度なセキュリティ管理、月額4200円/1ユーザ)

詳しい情報はこちら

そして、今回の主題である「Box の Salesforce 連携」については、Enterprise エディションのみで利用が可能になっています。

<Box の Salesforce 連携機能を使うための流れ>

  • Box のウェブサイトから申し込む、または box 営業担当者に連絡する
  • Box 担当者から、AppExchange アプリのインストール URL が記載されたマニュアルが送られてくる
  • マニュアルに従って、Salesforce 組織に AppExchange アプリをインストールする
  • インストール完了後、Salesforce 上でBox コンポーネントを表示する設定を行う
  • Salesforce の画面から Box にアクセスし、ユーザ認証を行うことで組織と紐付ける

Box for Salesforce は、今のところ自由にインストールできるようになっておらず、box.com の問合せフォームから連絡するか、営業担当者に連絡する必要があります。

AppExchange にページもありますが、現時点では「今すぐ入手」をクリックしても、申し込み画面に遷移してしまいます。
直接インストールが実行できるよう、改善が望まれます。

担当者(今回私は Box ヘルプの「サポートリクエスト」から連絡しました)からマニュアルが送られてきました。
マニュアルの冒頭に、インストール URL の記載があるので、そこから AppExchange にアクセスしてインストールを開始します。

インストールが完了した環境での「インストール済みパッケージ」にはこのように表記されます。

インストールが完了したら、Salesforce 側で行う操作は次の2つになります。

  • (各ユーザ:)「タブのカスタマイズ」で「Box Files」タブを表示する
  • (システム管理者:)取引先や商談など、Box ファイル連携を使用したいオブジェクトにて、ページレイアウトに Box ファイルのコンポーネントを追加表示する

「タブのカスタマイズ」で「Box Files」タブを追加すると・・・

Salesforce の画面上から直接 Box の「私のファイルとフォルダ」にアクセスすることが出来ます。
つまりは「Web タブ」の機能を使って Box のホーム画面をインラインフレーム表示しているわけです。

Box for Salesforce の最大の「肝」は、取引先や商談に Box ファイルを直接関連付けられるという点です。

取引先や商談で Box が使用できるように、ページレイアウトに Box コンポーネントを追加します。

まず最初に、コンポーネントを表示する場所として、新規セクションを追加します。

追加するセクションは一列表示で、詳細ページにのみ表示するようにします。

追加したセクションに、「Visualforce ページ」一覧から “Account Files” を選択してドラッグ&ドロップします。
(今回は取引先を例にしています。リードの場合は “Lead Files”、商談の場合は “Opportunity Files” となります。)

取引先の詳細画面に「取引先 Box ファイル」が表示されるようになりました。

「Box にコンテンツを追加」をクリックすると、Box 組織の「Salesforce」フォルダの配下に取引先名と同じ名前のフォルダが自動生成され、ファイルを追加すると、そのフォルダに自動的に保存されます。

Salesforce の取引先などのレコードと紐付けられたファイルの情報を Box 側から参照すると、このようになります。

【Box の「すべてのファイル」画面(=いわゆるホーム画面)】

【「Salesforce」フォルダを開いた画面】
Salesforce 連携で作られたフォルダが並んでいます。オブジェクト ごとに分かれているわけではなく、取引先もリードも商談も混在しています。

【「グランプリホテル高輪」フォルダを開いた画面】
先ほど追加した「会社概要.xlsx」が表示されています。

既にお気づきかと思いますが、Box 側で「グランプリホテル高輪」フォルダにドキュメントを追加すると、Salesforce 側から Box 取引先ファイル一覧を見た際にもきちんと追加されます。

今回は少々長くなってしまいましたが、Box と Salesforce を連携する設定の「入り口」の部分についてお話させていただきました。

今後は
「Salesforce 連携のフォルダにアクセス制限をどのように掛けるか」
「コンテンツ配信のように、Box ファイルを外部公開するにはどうすればいいか」
「カスタムオブジェクトでも Box 連携を使えるようにするにはどうするか」
について、もう少々お話させていただきます。