enebularが創る世界
これはenebular Advent Calendar 2016最終日のエントリです。
enebularは何を目指して何処に行くのか?よく心配?されてしまうのですが、それは日頃の説明不足が原因ではないかと思い今回まとめておきたいと思います。
ユーザとクリエイターの境界が曖昧になっている
システムインテグレーション周りの狭い視野で見ると気付けないかもしれないですが、いい加減インターネットが普及して数十年も経つと”創る人”の特権がなくなってきています。
YouTuber(ユーチューバー)などが顕著で、機材やWebサービスの進化のおかげで動画を撮ることや撮影した動画を不特定多数の人向けに公開することは簡単になりました。
また、プロのノウハウがインターネット上に一部外部化(公開)されることで、動画を演出したり拡散させたりすることもクリエイター1人で実現できる時代になりました。
同じことはシステムインテグレーションの世界でも起きようとしていますが、ユーザが企業という組織であるがゆえ保身などの抵抗により進化が多少遅れているものと考えます。
実は上記のことはこれまでも一貫してアウトプットしてきています。
- クラウドビジネス参入記(1): クラウドインテグレータになるということ
- クラウドビジネス参入記(2): Salesforce案件と既存SI案件との違い
- クラウドビジネス参入記(3): クラウド時代に必要なエンジニア像
- クラウドビジネス参入記(4): クラウドブローカになるために
- クラウドビジネス参入記(5): クラウドビジネスの将来
- ポストSIビジネスへの取り組み:ウフル/お客様の視点を持て、オープン・コミュニティに貢献せよ
Technical Rockstarsとの出会い
Technical Rockstarsサイトの冒頭に私が考えてたことが言語化されています。これは彼らの設立当初からのコンセプトです。
経緯は「MilkcocoaでエンタープライズのIoTに化学反応を起こしたい!」ウフルによるMilkcocoa買収の舞台裏をお聞きしましたやMilkcocoaとenebularの関係にまとめられていますが、昨年のアライアンス関係から今年のMilkcocoa事業譲受ならびにチームでのウフルジョインという発展を遂げました。
“創る人を増やす” – 上記のようにユーザとクリエイターの境界線が曖昧になると考えていた私は、この言葉に強く共鳴しました。現在は同じ志を持つメンバーと日々この使命に向かって突き進んでおり、大変有意義な毎日を過ごせています。
Node-REDユーザ会の運営
もう1つ上記のようにユーザとクリエイターの境界線が曖昧になると考えていた私が強く共鳴したプロダクト”Node-RED”のユーザ会運営も行っています。
3年目のNode-REDで記したようにAT&TやXivelyでNode-REDが採用されたり、日立、IoT基盤のアーキテクチャーを初公開、OSS全面採用で「Lumada」を支えるにあるように国内でもNode-RED採用事例が出てきました。
以下のように公開されたNode-REDのプラグイン(node)やロジック(flow)も順調に増えています。
また、IntelやThe Things Networkなどハードよりの採用も目立ちますので”エッジコンピューティング”では重要な役割を果たすことでしょう。
enebular INFOMOTIONのリリース
先日の当ブログエントリでもお伝えしましたがenebular INFOMOTIONをリリースしました。
ただ、enebular INFOMOTIONリリースまでの道のりでも書いた通り、これが当初のenebular開発の動機でした。
誰でもデータを扱ってインフォグラフィックスを作成でき、そのインフォグラフィックスを通じて誰もがディスカッションできる世界、それがenebularが創ろうとした世界です。
もうそこにはユーザとクリエイターの境界線は存在しません。
enebularの今後
誰もが使えるenebular.comは現在の機能は完全無料でご利用いただけます。今年はAWS Lambda連携やAWS IoT連携などの機能も追加されたため様々な方からフィードバックをいただいてます。
来年はAWS Greengrassが正式リリースされることと思います。偶然ですがenebularは上記機能を実装して準備万端な状態であると言えます。
また、来年からハードウェア系開発チームが組成されます。上記機能の延長線上にあるエッジコンピューティング強化をエッジ/クラウドそれぞれのスペシャリストによって実現します。
この成果はenebular.comのみならず、プラットフォームonプラットフォームという形でenebularを採用いただいている幾つかのアライアンスプロジェクトでも活用され来年プレスリリース等で発表予定です。
このように短期的にはアライアンスプロジェクトのコアテクノロジーとして、eMIのように自社プロダクトのコアテクノロジーとして、間接的にではありますが収益を上げています。
ただ、長期的には冒頭の通り”創る人を増やす”のが目的です。そのために今後はより一層のコンテンツ整備と情報発信、そしてセミナーやハンズオンを行い、IoT教育まで視野に入れた活動を活発化します。